第1章 熱帯夜 ♯2




「もしドロボーだったら、生け捕りに決まってんじゃん!」
 お化けなら生け捕りは無理だけど(つーか死んでるし)、ドロボーなんか所詮人間じゃん? いざとなったら闘うし! 小学生だからってナメんなよ!? 夢での熱いバトルが蘇り、枕をサンドバッグに殴る蹴る。
「……そうだ、パパのライフルを借りよう」
 撃ったことないけど、それ以前に今やただのインテリアだけど、本物だからハクはつく。
 巳咲はふと、ある友達の言葉を思い出した。

「シロートが凶器持つとヤクザでも引くらしいぜ。シロートは限度知らねーからな」

 ハルもたまには実用的なこと言うじゃん。しかもガキはますます限度知らねーよー♪ 見直しついでに、このスリルなニュースをメールしてやろう。
 さぁジェニファー(ケータイの名前)、出番よ!

【超スリルなニュースだぜexclamation×2 今からドロボーを退治するパンチ ミサキは地元のヒーローさぁぴかぴか(新しい)

 送信♪ 生け捕りしたらドロポー写メールしてやろう、うしし。

 ジェニー(ジェニファーの愛称)を握り締め、巳咲はそうっとドアを開いた。気分はまるでプロの殺し屋、全身のあらゆる神経を研ぎ澄まし、気配を読む。

「……は……にん……」
 なんと、廊下の奥の方から、微かに声が聞こえてきた。
 ちょっと待てよ、ということは。
 ライフルは、武器として使用できない。廊下の奥はリビング、そこから声がするということは、むしろドロボーの手中にある可能性大。さらに冷静に考えれば、声がするということは? ドロボーは複数犯である可能性大! 巳咲のようにヒトリゴトの多いドロボーもいるかもしれないが。
「……とりあえず、ヒトリゴトの多いドロボー、ってことにしよう」
posted by レイジ・レーベル at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 第1章 熱帯夜
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。