第5章 スパイ #12



「え、マズイじゃん!! 例のサイトって、『ネバーランド』のことだよねぇ!?」
 巳咲は思い切り動揺したが、珪人はともかく、誰も慌てる気配はなく。

「……ねぇ、『マズイ』って、何がマズイの?」
 霞はキョトンとみんなを見回し、巳咲の肩をチョンとつついた。
「バクちゃんにバレて、何かマズイことでもあるの?」
「……『何か』って言われても」
 バレた、って聞くと、マズイって言いたくなるじゃん……単に巳咲は、条件反射で動揺してしまっただけである。

「……そうだよね、べつにマズくもないか」
 バレたのが霞の母上様ならともかく、双子の父である。実の息子ですら「アイツは本当にオトナなのか?」と疑うような、あのバクちゃんである。
「だいたいウチの親父が、あんなの見ると思うか?」
「それは絶対、思わない」
 いつでも子供の味方(つーか自分が子供)のバクちゃんが、あんな『徹底管理教育』的なサイトを、見る訳がない。だいたい、そんなに教育熱心な父親だったら、双子はこんな性格になってない!!

「でも、どうしてバレたの?」
 霞の母上様ならともかく、子供はノビノビ育てる主義(つーか野放し)のバクちゃんである。息子のやることに、いちいちチェックを入れるはずがない。
「だって、見てる時に部屋入って来たりとか、なかったんでしょ?」
「うん、それはね、なかったんだけど……」 ここから先は、まだ誰も聞いていないらしく、秋生はゆっくり、深呼吸をした。

「……けど、何?」

 すると春樹が、いきなり秋生の頭をボカッと叩いた。
「このアホが、ヘマやったんだよ!!」
「ええっ!?」
「……いや、ボクはヘマをやった覚えはないんだけど」
 秋生は頭をさすりながら、春樹をニラんだ。要するに、ヘマをやったのは自分ではなく、春樹だと言いたいらしい。
「どういう訳か(つーかハルのせいで)、昨日ウチに、物的証拠が送られてきて」
「なんか知らねぇけど、カメラ買ったことになってたんだよ!!」

posted by レイジ・レーベル at 02:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 第5章 スパイ
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