第5章 スパイ #11



 双子と霞は、屋上までは出ずに、その手前の階段で、巳咲と珪人を待っていた。

「……ゴメン、遅くなった」
 慌てて階段を駆け上がろうとすると、霞が真ん中あたりまで下りてきた。
「遅いよ、もう私、クマさんの話、しちゃったよ?」
「だって、ケイトが給食当番だったんだもん」
 巳咲は大げさなため息をついて、双子よりもちょっと下にドカッと座った。
「……で、ケイトくんには、話したの?」
 言いながら、霞も巳咲の隣に、スカートを気にしながらチョコンと座る。
「……いや、話したというか……」
 口ごもっていると、珪人は「聞くも何も」と呆れながら、双子をまたいで一番上に座った。
「……聞くも何も、オマエらがニブすぎるんだよ」
 珪人はとっくに、気づいていたのである。巳咲がそれを知ったのは、牛乳ビンを運び終え、屋上に向かうその途中のことだった。

 「……ねぇケイト、バババーの机にあった、キリンのことなんだけど……」
 「ああ、あれって、例のヤツだろ?」
 「……え? 『例のヤツ』って」
 「だからぁ、ウサギと同じ……」
 「隠しカメラ入ってるって、気づいてたの!?」
 「……まさかオマエ、今さら気づいたのか?」
 「……ええ、つい、さっき……」

 巳咲は一人二役で珪人との会話を事細かに再現し、地団駄を踏んだ。
「知ってたんなら言えよ、もう!! 牛乳ビンは運ばされるしバカ女どもにはニラまれるし!! 損の重ね塗りじゃん!!」続きを読む
posted by レイジ・レーベル at 01:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 目次

『バチルス』あらすじ(仮)



 連載なんて、最初から読むの面倒くせぇよ!! という訳で、作ってみました。

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(現在、サイト引越し中のため、元サイトへ飛びます。ご了承ください。)


第1章 熱帯夜(#1〜4)
 草木も眠る丑三つ時……巳咲は何かの気配を感じ、もしドロボーだったら捕まえてやる!! と、ヒーローオーラ全開で現場に忍び込んだが……パパとママがテレビを見ていただけだった。どういう訳か、明かりもつけず、隠れるようにコッソリと。

第2章 (不)愉快な仲間たち(#1〜6)
 パパとママに聞いてみると、昨夜は12時前に寝たと言う。さらにいきなり、巳咲に兄弟ができるかも、みたいな話になり、大混乱。ただでさえ、いきなりのバンド結成でゴタゴタしていた今日この頃……巳咲のユウウツはつのるばかりである。

第3章 毒虫(#1〜6)
 バンドをやろう、と言い出した双子が、まだバンドの名前を考えてないことに気づき、ここでも混乱。とりあえずメジャーで売れることを目標に考えるが、妄想が暴走し、バンドの名前は霞の提案した『毒虫』に……?

第4章 リリカル・スイッチ(#1〜18)
 ママの許しがもらえず、バクちゃん(双子の父)のお誕生会に行けない巳咲。バックレようと出かけるが、途中でパパの浮気(?)を目撃してしまう。一方、ピアノのレッスンで行けない霞も、家庭への不満を陰で爆発させていた。

第5章 スパイ(#1〜15)
 秋生の調査から、巳咲の両親が見ていたのは、子供を監視する目的で作られた、スパイ的なサイト内の番組であることが判明。そんな中、巳咲たちは、教室にも隠しカメラがあることに気づく。

第6章 パンク☆キッズ(#1〜12)
 夏休みは早くも終盤を迎えた。巳咲は宿題に追われながら、ライヴ初体験の思い出にふける。遠足気分で向かった野外イベント『ハハロック』にて、なんと憧れのアーティストに出会ったのだ。

第7章 ナゾのスパイ集団・ネバーランド(#1〜進行中)
 双子の家に向かう途中、巳咲と霞は妙な男達に追いかけられた。変質者かと思ったが、「例のサイトのヤツらかも」と秋生は言う。そこで5人は、変質者達を逆尾行して、その正体を突き止めることにした。


 本気で読むなら、こちらが便利→【目次を見る
posted by レイジ・レーベル at 01:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 目次

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